
白とグレーを基調とした外観はシンプルでスタイリッシュ
|
アメリカにお住まいだった磯貝さんが日本に家を探しはじめたのは、2004年の6月頃のことでした。最初はインターネットで物件情報を検索していたそうですが、「そのときはまだ、横浜に地域をしぼって考えていたわけではないんです」とのことでした。横浜以外に世田谷、目黒など東京都内の物件もご覧になっていたそうです。「いろいろと情報を見ているうちに、家族3人と3匹の犬が暮らす広さを考えると、都内では難しいということが分かってきました」とご主人。アメリカでも海の近くにお住まいだったことから、鎌倉なども検討されたという磯貝さんですが、都内に出るのにもある程度便利なことを考慮して、最終的に横浜を選択されました。ご主人は「この土地は高台という点が気に入りました。貿易の仕事をしているので、横浜は港が近いのも良いですね」と話してくださいました。

約15畳のリビング。ソファやサイドテーブル
を置く場所をあら
かじめ考えて造られている |
アメリカでは何度も不動産売買の経験があったという磯貝さんご夫妻は、不動産売買制度の日米間の大きな違いに不安を感じていたそうです。「日本にはアメリカのエスクローのように、取り引きの安全性を保証するしっかりとした仲介システムがないので、正直心配でした」とご主人。それでも「横浜に地域をしぼったときに、大和住販にお願いすることに決めました」とおっしゃるご主人にその理由をお伺いしてみると、「大和住販は対応がよかったですし、大きい会社なので取り引きの際にも安心だろうと思ったんです」とのこと。奥さまも「営業さんをはじめ、大和住販の方はみんなよくしてくれました」と話してくださいました。
メールでやりとりを続けながら、土地探しを進められた磯貝さんですが、出張などで日本に来るときにしか、実際に物件を見る機会はありませんでした。「でも、大和住販さんの案内だけで15ヶ所ぐらい見に行きましたよ」とご主人。この土地を最初にご覧になったときは、まだ他に、もっといいところがあるのでは、と考えてすぐには決断しなかったそうです。「最初に見てから決めるまで、4カ月ぐらいあったんですが、その間に売れてしまわなかったのは、縁かもしれませんね」。


奥さまが「とても使いやすい」とおっしゃる
広々としたオール
電化のキッチン |
2004年11月に土地を購入された磯貝さんは、アメリカでのお仕事の引き継ぎや、日本に戻られるためのさまざまな手続きや準備など、とてもお忙しい毎日送られいていました。そんな中にあって、ご主人は新居の設計をほとんどすべてご自分で手掛けられたとのことでした。「法律や構造のことまではよくわかりませんが、どんな家にしたかいというイメージは、最初からしっかり持っていました」とおっしゃるご主人は、間取りはもちろん、使用する素材、窓の大きさや高さ、電気のスイッチの位置に至るまで数センチ単位で、ご自分で指示されたそうです。
スタイリッシュで清潔感のあるダイ二ング。
奥さまが手掛ける
というインテリアも素晴らしい |
しかし、2005年の4月に着工を迎えてからも、お引っ越しギリギリまでアメリカで暮らしていた磯貝さんには、建設の進み具合を見る機会はほとんどなかったといいます。「建てている間に見に来られたのは、たった3回だけで、4回目に見たのは引っ越しのときなんですよ」とお2人。「気にはなりましたけど、工務店も信頼できる人だったので」とおっしゃるのはご主人。奥さまは「途中で見て細かく指示する機会がほとんどなかったのに、本当によく出来たなと思います」と、笑顔で話してくださいました。

 |
 |
ご夫妻の寝室は広さ16畳ほど。ソファ
やテレビを置いても十分
なゆとりがある |
そんな磯貝さんのお宅は、約71坪という広い土地に建つ4LDK。ご主人によると「日本の在来工法で建てた家でありながら、アメリカ的なところがあると思います」というその建物には、注文住宅だけあって、磯貝さんの暮らしに合わせた工夫や、こだわりが随所に感じられます。
まずは1階のLDKとご主人の部屋。29畳ほどある広いLDKは「置きたい家具や飾りたい絵などもすべて考慮に入れて、部屋の大きさや窓の位置などを決めていきました」というご主人の言葉どおり、ダイ二ングもリビングも、家具などすべてがピッタリと収まっていて、無駄のない落ち着いた空間になっています。オール電化の広々としたキッチンも設計はご主人。奥さまは「私はとくに何も注文を付けなかったんですが、とても使いやすいですよ」とのことでした。
2階はご夫妻の寝室と姪御さんの部屋、来客用の寝室という3部屋。16畳ほどのご夫婦の寝室の隣には専用のシャワールームと洗面所が設けられています。これはご夫妻がアメリカでの暮らしの中で、ぜひ必要だと感じて作られたのだそうです。ここでもご主人は「地震には慣れていないこともあり、家具が倒れるのが恐いので、ほとんどすべて作り付けにしているんですよ」と、こだわりを語ってくださいました。
天井高140cmの犬たちの部屋。
ケージや荷物を置いても、3匹が
過ごすのに十分な広さがある
|
そして、まさに注文住宅ならではといえるのが、犬たちの部屋。「高さ140cm以下の空間は、容積率に含まれないということを知り、ガレージと2階との間の空間に、140cmギリギリの犬のための部屋を作ったんです」とのこと。天井は低いもののかなりの広さがあり、犬嫌いの来客があるときなどに、3匹の犬たちの部屋になるほか、収納としても活用されているようでした。
さらに、360度ぐるりと横浜の景色を見渡せる屋上にも、洗濯物が外から見えないように、また、万が一にも犬が飛び出してしまうことがないようにという理由から、壁を高くするという配慮がなされていました。
このようにさまざまな快適に暮らすための工夫を凝らしていながら、全体としてまったく奇をてらった印象のない磯貝さんのお宅。拝見していて「家の快適さというのは、入って来た人をびっくりさせるような奇抜さではなく、何がいいとは言えないような、ただそこに居たくなるようなものだと思っています」というご主人の考えが貫かれているのが感じられました。


お庭には広いウッドデッキが造られ、
奥にはヤシの木が揺れる |
磯貝さんがご新居での生活をスタートしたのは2005年9月のこと。引っ越して来られたときは、まだ敷地の中に家だけが建っている状態で、外構は何も出来上がっていなかったのだそうです。「より家への愛着が湧くかなと思って、庭の石は自分たちで敷いたんですよ」と話してくださったご主人。現在庭には、きれいに石が敷き詰められ、ヤシの木の植栽が明るい印象です。
この家に暮らしての感想をうかがうと、お2人とも「満足しています」と答えてくださった磯貝さん。奥さまが「何か、もっとこうしておけばよかったと思うところはある?」と訊ねると、ご主人の答えはいつも「ない」なのだとか。
「アメリカでも家を持った経験はありますが、自分で建てたのは初めてなので、やはり愛着がありますね」と話してくださった主人。最後に「この土地にもう一度家を建てたとしても、またこの家と同じ家になると思います」とおっしゃったご主人の言葉からは、これまでいろいろな家に住われた経験を生かして、快適さを追求して造り上げた家への愛着と満足が、よく伝わってきました。 |